[高尾/石碑]メダマさん(Medamasan)
宝篋印塔と六地蔵の前の道を西へすぐのところ。下の写真では、電柱の隣が六地蔵です。
カーブの地点にメダマさんがあります。
何か親しげで興味をそそるネーミング。はて何でしょうかこの碑は?
よく見てみると……愛嬌があってやはりメダマさんですね???
「メダマさん」とは、2基の月待板碑のことです。メダマに見えるのは、太陽と月を表します。2基それぞれに、金剛界五仏種子と紀念銘を刻んでいます。
「月待(つきまち)」は、気の合う信者のグループ(月待講)が十七夜、十九夜、二十三夜などの月齢の日に、この碑の前や寺・集会所に集まって、飲食・談話をしながら月の出を待つという風習です。十九夜講は安産や子授けを願う若い女性が多く、二十三夜講は一般男女が集まり、月が出るとお経を唱え願いをかけたと言います。高尾ではカナイ(府道沿い)にもう一基あり、小字ごとに講があったのかも知れません。月待の風習は遠い昔に途絶えて今はないそうです。
「種子(しゅじ)」とは、仏・菩薩などをサンスクリット文字(梵字)の一字で象徴的に標示したものをいいます。
「金剛界五仏」は、バン(大日如来)、ウーン(阿閃如来)、タラーク(宝生如来)、キリーク(阿弥陀如来)、アク(不空成就如来)を表します。
この板碑は通称「目玉さん」と呼ばれている二体の月待供養碑である。花崗岩製で、大きいほうは総高154センチメートルで「寛永六 己巳二月二日(1629年)月待供養」と刻まれ、小さいほうは総高116センチメートルで「寛永四年丁卯二月(1627年)月待供養」と刻まれている。月待講は二十三夜講が通例で、全国的にも多くの板碑が見られ、二十三夜講衆が会合、飲食をともにして月を待つ民間信仰である。
高尾区峯出の住民約20戸が、この近くの「山ノ神さん」の信仰とあわせて2月7日、9月7日に参拝して供養している。
南山城村教育委員会
メダマさんのとなりには、小さな祠もあります。
ここからは、眼下に広がる茶畑を見渡すことができます。