[北大河原/施設]大河原発電所(Okawara Power Plant)

木津川にかかる大河原大橋の上から、レンガ造りのアンティークな建物が見えます。木津川は、夢絃峡エリアです。

 

 

その建物は、大正時代にできた大河原発電所です。当時のヨーロッパにおいて盛行したアールヌーボーの影響を受けた建築スタイルです。

大正8(1919)年10月、大河原発電所と送電線路新設工事が落成し、12月から運転を開始しました。当初は3000キロワット(現在は3200キロワット)で、つくられた電気は山城・京都方面へ送電されました。大河原発電所のおかげで、数年かけて順次村内に供給されましたが、家庭に電灯がついたのは大正末期、童仙房への送電は村の財政難や戦争遂行により1948(昭和23)年になりました。ちなみに、最近できた水力発電所は12000キロワットぐらいなので、やや小規模ではありますが、100年前にできた発電所が今なお現役で働き続けていることは素晴らしいです。村の景観にもすっかりなじんでいます。

 

 

4月には、桜がレンガにマッチします。

 

 

大河原大橋の東の端に発電所への進入路があります。

 

 

発電所は、木津川が湾曲している部分を利用してつくられ、湾曲部の端に、延長109.4メートル、天端幅5メートル、高さ14.9メートルの堰堤がつくられました。(弓が淵付近)

 

 

堰堤でせき止めた水は、取水口から延長1000メートルの隧道(ずいどう)をとおって水槽に流れ込みます。

 

 

発電所から上に行くと上の写真にある水路も見ることがでます。発電所北側の変電施設から上に登り、小橋を右に渡ってすぐです。2㎞上流にある堰堤を流下する白い水瀑白いカーテンのように美しいので見に行かれることをおすすめします。

 

 

説明板より
大正の煉瓦造りとして建築学的にも珍重されている大河原発電所は、大正八年十二月に京都電灯株式会社により建設されました。 それ以降、関西配電株式会社に引き継がれ、昭和二十六年には電力再編成のため関西電力株式会社に引き継がれました。 現在も山城、奈良方面に電気を送り続けています。 また、発電所本館は、昭和五十七年に社団法人「日本建築学会」より、全国の建物二千棟のなかに選ばれました。

南山城村商工会