南山城村体験観光推進協議会立ち上げの経緯

南山城村は宇治茶の主産地で、茶が基幹産業ですが、近年は後継者不足が深刻化しています。さらに、地域の商工業の衰退も進んでいます。
村の存続を脅かす危機を打破し、明るい未来をひらくには、村だけでどうにかしようという考えを改めねばなりません。交流人口を増やし、移住定住者を増やすための取り組みをしていきます。そのためには、茶産業を軸に、地域の歴史・文化・自然を活かした体験型観光の創出が必要不可欠です。

現在、過疎化が進んでいる京都府相楽郡の東部3町村(南山城村・笠置町・和束町)は、広域連合役場を設けています。南山城村と笠置町は、隣接する三重県伊賀市と定住自立圏の協定を締結しています。このように、地域連携の強化に努めています。
2015年には、南山城村を含む京都府山城地域が、「日本茶800年の歴史散歩」として、日本遺産の認定を受けました。2017年度は「お茶の京都」のターゲットイヤーとなります。
2020年には東京オリンピック、2021年には関西広域連合が主催するワールドマスターズゲームの世界大会があり、インバウンド観光客が増えると見込まれています。

現在政府は、インバウンド観光客の増加に合わせて、地方への集客を図るため、農山漁村振興交付金事業による「農家民泊」の推進を図っています。そのために、民泊業の規制緩和をはじめ、様々な推進施策により、全国に農泊推進地域を500ヵ所設ける目標を掲げています。
南山城村を含む相楽郡東部地域は、近畿の中心部にあるという地理的要件と京都、奈良の中心に位置することから、教育旅行の受入れには、これ以上ない地理的要件を備えています。

南山城村には山城地域最大の宿泊施設レイクフォレストリゾートがあり、2017年4月には「道の駅」がオープンしました。これらの施設は教育旅行の拠点施設として活用できます。南山城村体験観光推進協議会を設け、農林水産省の「農山漁村振興交付金事業」の申請をし、本格的に取り組むことと致しました。

隣接する和束町では、3年前から本格的に農泊に取り組んでおり、ホストハウスヘの研修や実際にモニターツアー等も開催し、受入れ準備を整えています。そうした中、平成30年度から修学旅行の受入れのための渉外活動もスタートさせ、南山城村が協議会を立ち上げるのとほぼ同時期に修学旅行の予約が入りました。
南山城村、和束町、笠置町3町村は、連携を強化しつつ、体験観光に取り組んでいきます。

2017年4月